薬事法による虫除けの表示の違いに注意して購入する商品を選ぼう

虫除け効果のある商品を購入したい場合、薬事法による表示に注意が必要です。同じように虫対策として利用できる商品であっても、医薬品・医薬部外品・雑貨に分けられます。

表示の違いと効果の違いを把握し、求める効果に合った商品を使用しましょう。また表示による効果の違いと合わせて、効果の高さも確認しておくことが大切です。

『詰め替え化粧品や健康食品を扱う際も薬事法に注意!どんな対策方法があるか調べよう!』

蚊などの虫対策として、防虫スプレーなどを使いたいと考えている方もいるでしょう。

一般的に虫除けのアイテムとして使用されているものは数多くの商品がありますが、高い効果を期待したいなら医薬品もしくは医薬部外品として販売されている商品を選ぶことが大切です。

医薬品もしくは医薬部外品は、効果や品質などの面から厚生労働省の製造販売承認を受けた商品のみが表示できます。中途半端な対策になってしまうと、十分な虫除け効果が期待できず、蚊に刺されてかゆい思いをするかもしれません。

かゆみなどの症状を避けるためにも、信頼できる商品を選んでしっかりと対策を行うことを心がけましょう。

化粧品の中には、虫対策の効果が期待できるとして販売されている商品も見られます。ですが化粧品で虫除けもしくは蚊除けなどの表記をして販売することは、化粧品の効能を逸脱しているため薬事法違反となります。例えば虫除けのほかにも、虫よけスプレーや虫が嫌がる香りなどの表記で販売するのは薬事法違反で、過去にはそれらの表示を行って警告を受けた商品もあります。

医薬品や医薬部外品以外の場合は、虫対策に効果が期待できるとしても、認可を受けていないので雑貨扱いになると押さえておきましょう。

医薬品と医薬部外品の表示の違いは、対象の虫と濃度と薬事法で定められています。例えば医薬部外品の虫除けにおける定義は、「人体に対する作用が緩和なもの」で、適用害虫は蚊成虫やブヨ、サシバエ、ノミなどです。一方医薬品の虫除けの場合、蚊やノミなどの適用害虫に加えて、ツツガムシに対する忌避効果も期待できます。

ツツガムシは感染症であるツツガムシ病を媒介する害虫です。濃度の違いで注目するべき成分となるのが、虫除けの多くに含まれている成分である「ディート(ジエチルトルアミド)」です。このディートの濃度が12%以上だと医薬品、10%以下なら医薬部外品という形で薬事法では分類されています。


虫除けでも医薬品と医薬部外品だと有効成分であるディートの濃度が異なるため、濃度が高い製品を使用すれば期待できる効果が高くなるというイメージを持っている方もいるでしょう。ですが蚊の忌避効果という視点から考えた場合、効果の面では違いは見られません。

濃度が高いものは、効果が高いのではなく効果の持続時間が長くなります。持続時間の目安は、医薬品なら6~8時間、医薬部外品なら3~4時間です。

長時間屋外で過ごすという場合には、効果の持続時間が長い医薬品の虫除けの利用を検討しましょう。

汗をかいてこまめに肌を拭くという方であれば、その都度塗り直す場合、効果の持続時間が短い製品を使用しても問題ありません。

虫除けと表示されている商品を使ったのに、蚊が寄ってきて効果が得られなかったと感じた経験はありませんか。肌に直接塗って使うタイプの商品は、虫が寄ってこなくなるものではありません。寄ってきた蚊などの害虫が肌を刺せないようにするものなので、寄ってこない状態にしたいなら、肌に直接使うタイプ以外の商品を併用するなどの工夫が必要です。

虫除けと表記して販売できるのは、医薬品や医薬部外品のみですが、これは商品を使う対象が人や動物のみの場合です。例えば服の防虫剤や家のシロアリに対する虫除けの場合、商品の対象は人や動物ではないため、医薬品や医薬部外品以外の商品となり、雑貨であっても虫除けと表記して販売できます。

また肌ではなく、着ている衣類に対してスプレーして使う、アロマタイプの肌に直接触れずに使う商品の場合、対象が人や動物となるため虫除けと表記して販売すると薬事法違反となります。表示の違いを把握して、安心して利用できるアイテムを使って虫対策を行いましょう。

ある程度の持続時間が期待できる医薬品や医薬部外品の虫除け商品であっても、適切に使えていなければ虫除け効果が下がってしまいます。特に注意が必要となるのが、塗りムラの問題です。塗れば蚊などの虫が寄ってこなくなるわけではなく、塗った箇所が刺されにくくなるといった効果が期待できるものなので、塗りムラがあるとその部分が狙われてしまいます。

わずかな塗りムラでも刺されてしまう可能性があるため、直接手のひらで全体に満遍なく塗ることを心がけましょう。また液体タイプやシートタイプの商品は、スプレータイプなどより塗りムラを防ぎやすい傾向があります。

ですが液体タイプやシートタイプは、ディートの濃度が低いため1~2時間ほどで塗り直しが必要といった注意点があります。

虫対策の商品として、シールタイプやバンドタイプなどの身につけるタイプの商品も販売されています。身につけるだけで簡単に使えるものの、医薬品や医薬部外品ではなく、多くの場合は雑貨扱いです。また対象となる害虫がユスリカやチョウバエのみで、蚊成虫は対象外というケースも見られます。

身につけるタイプの商品で虫対策をしたい場合には、医薬品もしくは医薬部外品の表示になっているのか、対象としている害虫は何かなどの表示を必ず確認しましょう。

薬事法で虫除けの効果が認められた医薬品や医薬部外品だが安心と判断して使うのではなく、使用上の注意をよく読んでから使うことを心がけましょう。顔には直接使わないことや12歳未満の子供は使用回数の目安を守るなど、虫除け製品にはいくつかの使用上の注意が存在しています。

購入するアイテムごとに使用上の注意は異なるため、新しい虫除け製品を購入するごとにどのような点に注意すればいいのか確認が大切です。また消費期限切れは効果が保証されていないため、保存状態に注意し、開封したら早めに使うようにしましょう。

人や動物を対象としている製品の場合、虫除けと表記して販売できるのは医薬品や医薬部外品のみと薬事法で定められています。また医薬品と医薬部外品は、成分濃度が異なるため医薬品を使ったほうが効果の持続時間が長くなります。

ただし塗りムラがあるとその部分が蚊に刺されやすくなるため、塗りムラに注意して使用上の注意を守って使うことを心がけましょう。

参考リンク→薬事法ドットコム